2006年9月24日

2973<2974<<6599*n

2973人: 「9.11 米同時多発テロ」での死者
2974人: 22日までのアフガニスタン戦争とイラク戦争での米兵の死者
6599人: ことし7,8月のイラク民間人の死者

「朝日」9月23日付がAP通信の独自集計を紹介しています。
イラク民間人死者数は国連の発表にもとづくものとのこと。

いいですか? イラク民間人の死者数はこの2箇月分ですよ。たったの2箇月で阪神・淡路大震災による死者6434人を越える命が奪われています。ちょっと信じがたいです。

戦闘だけでなく、治安悪化、テロによる死者も多数なんでしょうけれど、テロリストをのさばらせる結果を生んだのは、米国によるイラク社会の破壊でしょう。

ブッシュ大統領が「十字軍」を気取って始めたこの2つの戦争に巻き込まれて亡くなったアフガニスタン、イラク両国の民間人はいったい総計何人なんでしょう? これは「報復」どころではありませんが(イラクと9.11テロとは無関係なので、二重の意味で「報復ではない」です)、そもそも「報復のための十字軍」がありえるのでしょうか?

私自身の勉強のために『Nova Vulgata』*から引いておきます。(Luc.6)
27 Sed vobis dico, qui auditis: Diligite inimicos vestros, bene facite his, qui vos oderunt;
28 benedicite male dicentibus vobis, orate pro calumniantibus vos.
29 Ei, qui te percutit in maxillam, praebe et alteram; et ab eo, qui aufert tibi vestimentum, etiam tunicam noli prohibere.
その続きにはさらにこんなことも書かれています。
37 Et nolite iudicare et non iudicabimini; et nolite condemnare et non condemnabimini...


目の中に丸太があるのに気づいていないのは私の方なんでしょうか?

*http://www.vatican.va/archive/bible/nova_vulgata/documents/nova-vulgata_novum-testamentum_lt.html
なお、私はまだこれを読めませんが、プロテスタントとはいえ、Yale Univ.出の大統領ならなんなく読めるでしょう。

2006年9月22日

おかしな専門家: 最高法規や基本法に基づく判断なんですが、何か?

東京都教育委員会が教職員にたいし、入学式や卒業式で「日の丸」への起立、「君が代」斉唱を強要する通達を出したり、各校の校長が職務命令をおこなったりしたことは
  • 「不当な支配」を廃するとした教育基本法10条に違反
  • 日本国憲法19条の思想・良心の自由に対し、許容された制約の範囲を超えている
とする判決を東京地方裁判所が下しましたね。都教委などが強要の根拠とした学習指導要領についても
  • 学習指導要領が教職員に対し、一方的な理論や概念を生徒に教え込むよう強制する場合には「不当な支配」に該当する
としています。

私はこの判決は当然すぎると思います。

ところが、それを報じた「神戸新聞」9月22日付に、こんなコメントがつけられていました。
…行政当局が法に基づいて行った行為が不当な支配に該当するというのはおかしい。
このコメントの主は菱村幸彦氏。紙面では肩書きが「国立教育政策研究所名誉所員」となっています。この研究所の性格を知らない人には、この人がいかにも高い見識をもつ専門家のように読めます。

この人は「元文部省初等中等教育局長」。インターネット書店で編著者検索してみると、『管理職演習学校の法律問題』『学校経営と法律の接点』『教育行政』などたくさんでてきます。中立的な学者どころか、当事者に等しい立場の人でしょう。

菱村氏は、教育法規に詳しいようですが、日本国憲法は「最高法規」なのだし、教育基本法は教育分野の文字通り「基本法」なのですから、「法に基づいて行った行為」だといっても、その法や法解釈(学習指導要領は法ですらありませんが)が、より上位の法:憲法や教基法からみて正しいかどうか、裁判所が判断するのは当然ではないんでしょうか?

日本国憲法や教育基本法なんぞ、自分たち行政を縛るものであってたまるか、なんて思っているんでしょうか。こういう人たちは。(縛られていやだから、これらを「改正」しようとしているんですよね)

Nuntii Latini: ラテン語によるニュース

ラテン語によるニュースサイトを見つけました。
Nuntii Latini: http://www.yleradio1.fi/nuntii/

  1. Saddamo nihil cum al-Qaida
  2. Principissa Kiko filiolum peperit
  3. Conventus Asem 6
なんて記事が出てます。
  1. の「nihil」は日本でいう「ニヒル」の語源ですね。「サダムはアル・カイダと“無”関係」。
  2. は「Kiko」「filiolus = 幼い息子」でわかるでしょ?

ちゃんとRSSも提供されてます。ラテン語は死語じゃないんですよ。

2006年9月16日

InDesign: フレームグリッドの最後の行が埋まらない

私が編集しているのは「新聞」なので、長さの単位が、ポイントでも級・歯でもなく、
U = (11/1000) inch = 0.2749 mm
なのです。そのためInDesignで組版する際、下のように半端な値で指定しなくてはなりません。
  • 文字サイズ:12 U = 13.411 Q
  • 行間:6 U = 6.706 H    (行送り:18 U = 20.117 H)

[←図1]
ところがこのとおりに*フレームグリッドを設定しても、最後の行に文字が入らないまま、次の段に流れてしまうのです。

* 実は、後述のようにこのとおりではなかったのです。



フレームグリッドは25行分あるのに、24行目までしか入りません。
(画像をクリックしてみてください。大きく表示されます)

フレームグリッドは縁をマウスでつかんでドラッグすると1行ずつ増減しますが、このフレームもそうやってつくったものです。

コントロールパレットを見ると、フレームグリッドの横幅(W) は 124.054 mm になっています……問題点に気がつきましたか?


この記事を書き出した当初は、次のように単純に考えていたのですが、フレームグリッドの設定での別の問題に気付きました。

文字サイズと行送りから25行分の横幅を計算すると:
横幅 =( 20.117 × 24 + 13.411 ) H
   = 496.219 H = 124.0548 mm
0.0008 mm 横幅が不足しているので、25行目に文字が入らないのです。

[←図2]
そこで、コントロールパネルで横幅を修正してやると...







[←図3]
25行目に文字が入ります。コントロールパネルでは、横幅(W)が 124.055 mm になっています。








さて、記事を書いているうちに気付いた、その真相は……

実は、UからQ(H)への換算は小数第4位まで使って指定していたのです。

つまり、[図1] のフレームグリッドの設定の際、実際の入力は、
  • 文字サイズ:12 U = 13.4112 Q
  • 行間:13.4112 H / 2
でした。行間については「二分」(1文字の1/2)として、InDesign自身に計算させていました。

しかし、InDesignは小数第3位までしか表示しませんので、[図1] では、あたかも小数第3位までの精度で入力・指定されているように見えているのです。


この精度で25行分のフレーム幅を計算すると:
フレーム幅W = ( 13.4112 ÷ 2 + 13.4112 ) × 24 + 13.4112 H
   = 496.2144 H = 124. 0536 mm
となります。このWの値を丸めたものがコントロールパレットでの表示([図1] を拡大して見てください)「124.054 mm」と一致していますから、InDesignはこの精度で計算してるんだろうと思われます。


では、なぜ25行目が入らなかったか...

ここに適用した段落スタイルでの数値の精度が小数第3位までだったのです。この精度で、(フレームではなく)段落の横幅を計算すると上に書いたように:
段落幅 = ( 6.706 + 13.411 ) × 24 + 13.411 H
   = 496.219 H = 124.0548 mm
となり、フレーム幅Wよりも大きくなるので、25行目が入らないのです。

なお、段落スタイルで、文字サイズを小数第4位まで入力し、行送りも計算式で入力すると、段落横幅がフレーム幅Wと一致するので、25行目まで入ります。


つまり、InDesignで長さを指定する時は、その精度をそろえておかないと、齟齬が生じるということなんですね。


新聞以外では U単位なんて使わないから、他の分野の組版では、ほとんど問題にならないんでしょう。(うちの編集部にしても、もはや新聞専用のシステムは使っていないのですから、U単位を使い続ける意味はないということでしょうね。やれやれ!)

2006年9月10日

In Bushum Minorem

フセイン政権とアルカイダとは協力関係になかった――米上院情報特別委員会の報告書が結論づけたそうです。むしろ、イラク国内でアルカイダを抑え込もうとしていたのはフセイン政権だったとも。

生物・化学など大量破壊兵器がなかったことも、すでに明らかになってますし、イラク戦争をはじめた根拠がことごとく否定されてきました。

では、フセイン元イラク大統領はいったい何の罪で裁かれようとしているのでしょうか?
法廷に引き出されるべきなのは小ブッシュ現米大統領の方ではないのでしょうか?
わたしの国の小泉首相も当然、その共犯者として裁かれることになるでしょう。



☆この記事のタイトルは、ASCII文字で書かれているからといって、けっして米語ではありません。念のため :-]

2006年9月1日

appe-toppe

妻が机のそばに落としていた文庫本を拾い上げてみると『論理的な話し方が面白いほどできる本』なるものでした。
今日、私がふと買ってみた新書本の副題は「非・論理コミュニケーション」...

さてもさても、あっぺとっぺな夫婦です。